❐北方四島の話題
コメルサント2019/1/11
色丹島と歯舞群島の引き渡しが議論になっている中、南クリル諸島(北方領土)への移住に対するロシア人の関心が急激に高まっている。人々は住宅や住民登録に多額のお金を支払っても良いと考えている。この6カ月、日本に島々を引き渡すという噂が広まった。それは、島に住む人々が日本に属することを意味する。安倍首相は引き渡し後も島からロシア人を追い出さないと言っている。繰り返し日本を訪問しているサンクトペテルブルグのある学生は色丹島に移り住みたいと考えている。彼にとって、色丹島は日本に渡るための絶好の経由地になるからだ。以前、2ベッドルームの民間アパートは150万ルーブルで購入できたが、最近では需要が急増したため高騰している。11月に売り出された2部屋のアパートは300万ルーブルだったが、今では1,500万ルーブルだ。売り手は「人々はアパートを購入したいのではなくて、住民登録がほしいのだ」という。ビザなしで190カ国を訪問することが出来る日本のパスポートは世界一の評価を得ている。今はほとんど手に入れることは不可能だが、島々が日本に引き渡された場合、色丹島の住民には居住許可が与えられる。ある学者は「そうなれば島のロシア人はビジネスを行うチャンスが拡大し、特定の利益を享受する特権的な地位を獲得することになるだろう」という。こうした状況を色丹島民は冷ややかに見ている。地元の学校教師アンドレイ・ダネリアさんは「多くの島民は日本への島の引き渡しを信じていない」と語る。彼によれば、インターネットでの世論調査では、色丹島の引き渡しについて91%が反対、賛成は9%だった。もし引き渡された場合、島に残るか転居するかを聞いたところ51%が色丹島にとどまると回答している。色丹島が日本の一部になるかどうか、交渉はこれからだ。現在、色丹島に住む島民はビザなし交流で日本に行くことが出来る。色丹島に移住するロシア人だけが、この権利を手に入れることが出来る。
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