国後島 クリル自然保護区の創設35周年を祝う

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北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/2/9

●…国後島のクリル自然保護区の創設35周年を祝う記念式典がユジノクリリスク(古釜布)の郷土博物館で開催された。ブラシェンコ市長はじめ関係者が出席した。式典ではイリーナ・ネヴェドムスカヤ副所長が保護区の歴史やロ日共同プロジェクトなどの取り組みについてスライドやビデオを使って報告した。

●…クリリスキー保護区はサハリン州初の保護区として1984年2月10日に設立された。クリリスキー保護区は総面積65,861ヘクタールで3つのエリアからなる。2つは国後島の北と南にあり、もう1つは「小クリル(歯舞群島)」にある。

●…自然保護区創設の動きは、日本の漁業活動によってラッコやアザラシの数が減っていた1940年代後半に提起された。1969年に科学者V. ネチャエフはオホーツク海側のアレキナとゴロヴニン火山(泊山)の2つのエリアに保護区を設定すべきと提言した。1973年にソ連と日本が渡り鳥条約に締結して以降、南クリルに保護区を設ける動きが活発化した。それから10年かかって保護区が創設された。

●…初代所長はイゴール・リボフ氏だった。創設当初、職員は夏はテントで、冬は漁師の家に寝泊まりして活動した。地質学者は険しい自然の中で道を切り開き調査を続けた。数年のテント生活の後、1987年に古釜布に管理事務所が出来た。地質学者は保護区内には8つの監視所がある。

●…保護区に生息する哺乳類は33種類。最小の哺乳類はわずか2グラムのトガリネズミで、最大のものはヒグマである。白っぽいものから黒までバラエティに富んでいる。哺乳類で最も広く分布するのはキツネであり、沿岸部や低地に生息している。ラッコは歯舞群島に生息し国後島では稀だ。鳥類は293種でそのうち127種が営巣している。植物は2000種類確認されており、そのうち80種がレッドデータブックに搭載されている。色丹島で見つかった数十種の植物は他のクリル諸島では見られない。国後島の60%、色丹島の23%は森林である。

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