根室海峡 「ロシアの海なのに日本漁船に締め出されている」とサハリン漁業協会が連邦漁業庁に改善要請

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 2019/2/7 サハリン・インフォ、インターファクス、REGNUM他

サハリンと南クリルの漁業会社約60社でつくるサハリン地域漁業協会が、クナシリ海峡(根室海峡)で操業する日本漁船に漁場を奪われ、ロシア漁船が締め出されているなどと不満を募らせ、ロシア連邦漁業庁に対して改善を訴える文書を送付した。クナシリ海峡のロシア海域では、ロシアと日本の政府間協定によって、日本漁船はスケトウダラなどを獲っている。漁業協会が提出した文書によると、クナシリ海峡では今シーズン、両国が合意した操業スケジュールに反して日本漁船が操業しているという。この海域には毎日20隻以上の日本漁船が操業しており、魚が集まる漁場を独占し、ロシア漁船は「自分たちの海になのに締め出され、漁獲量が減っている」と不満を述べている。また、日本漁船の網には、レーダーで捕捉する装置がなく、ロシア漁船のプロペラに絡まるなど安全な航行を危険にさらしている。さらに日本漁船は古くなった網をロシア海域で投棄するなど不法な行為を行っていると指摘している。「当局に要請しても誰も我々の利益を考慮しない。ロシア政府の助けを借りて日本漁船は我が物顔で振る舞っている」と不満を募らせ、連邦漁業庁に対して、日本側に不法行為をやめるよう働きかけることを求めている。

※連邦漁業庁に提出された文書はサハリンの漁船の船長の話に基づいて作成されたという。日ロの政府間協定よって主権を棚上げする形で「安全操業」が行われている根室海峡ではロシアのトロール漁船による網の切断などの漁具被害が続いており、日本側はロシアに改善を申し入れている。近年はロシア側による「臨検」が急増し、1月には日本漁船が一時連行される事件もあった。ロシア側の報道では「日本漁船はロシアの海で操業しているのに、日本漁船は自分たちの海のように振る舞っている」などと感情的な反発も紹介されている。

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日本漁船の臨検に向かう国境警備局のボート 

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日本の巡視船とロシア国境警備局の最新警備艇

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1月8日の北海道新聞電子版から

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