❐北方四島の話題
サハリン・インフォ2019/11/8
〇…今年、クリル自然保護区には記録的な観光客が訪れた。自然保護区内にはゴロブニン火山(泊山)とチャチャ火山(爺々岳)の2つのエコ・ツアールートがあるが、入域許可証を取得して訪れた人は1,200人を超え、前年より30%増加した。
10年前の観光客は500人
〇…10年前に、保護区を訪れる観光客数は年間500人だった(2009–2014)。この中にはビザなし交流で訪れる日本人は含まれていない。2015年–2016年は900人–945人に増加。これはサハリンからの定期船が2隻体制となり、空港が再建されて増便となったことが要因と考えられる。
サハリンからの航空運賃値下げで観光客増加
〇…しかし、2017年には定期船が1隻となり、飛行機の運賃が高騰したため760人、2018年は836人に減少した。2019年春から、クリル諸島の居住者でなくとも割安な島民用の格安チケットが購入出来るようになり、南クリルへの観光客が増加した。
〇…今年、ロシア国内の34都市と5地域から国後島の自然保護区に観光客が来ている。内訳は国後島在住者が28%、モスクワ地域が20%、サハリン地域が8%、サンクトぺテルブルクが6%。
外国人観光客も拡大
〇…クリル諸島に関心を持つ外国人観光客も拡大している。クルーズ船で訪れたのは英国、オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、スウェーデン、デンマーク、オランダ、イスラエル。これに加えて、ドイツ、フランス、ポーランド、クロアチア、スロバキア、スイス、エストニア、リトアニア、中国の市民が別のツアーで訪れた。
日本人観光客44人も、ビザなしでは1,000人
〇…今年10月、政府間の合意を得て日本人観光客44人が国後島を訪れた。10月30日と31日に保護区を訪れている。日本人は1992年からビザなし交流の枠組みで南クリルを訪れているが、日本側はこれを観光とは考えておらず、元島民が墓地や居住地跡を訪れ、ロシア住民と交流するために来る。この資金は政府や政府系組織から出ている。毎年1,000人以上の日本人が訪れ、うち600人は自然保護区にやって来る。(主に国後島、色丹島、歯舞群島の自然保護区内の墓地を訪問している)
122人が爺々岳に登山
〇…このほか、ロシア、日本、チェコ、ラトビア、スウェーデンの学術調査団13団体、53人が保護区を訪れた。
〇…保護区を訪れた観光客のうち178グルーブ900人がゴロブニン火山(泊山)のカルデラを訪れる。チャチャ火山(爺々岳)は18グルーブ122人が登った。
観光客は7月–9月の3カ月に集中
〇…大多数の観光客は7月中旬から9月末までに訪れる。しかし、5月から6月、そして10月は国後島が最も美しい季節であり、この時期にこそ来る価値がある。
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