国後島の針葉樹が温暖化の影響で枯死 広葉樹が勢力拡大!?

北方四島の話題

 サハリン・インフォ2019/11/19

地球規模の気候変動の影響で国後島の針葉樹林が枯れている。今夏、国後島の森林を調査したロシア科学アカデミー極東支部植物園研究所のキリル・コルズニコフ博士は、長いスパンで考えると、今後広葉樹がとってかわる可能性があると指摘する。南クリル諸島(国後島択捉島色丹島)の針葉樹林はエゾマツ、アカエゾマツ、トドマツから形成されている。自然のままの森林では、樹木の死と更新のプロセスのバランスが取れているため、たとえ害虫が発生して樹木が枯死しても、森のシステム全体に致命的な結果をもたらさない。2015年10月の暴風は1000ヘクタール以上森林に被害をもたらした。以前はこのような猛烈な暴風はなかった。おそらく、その理由は地球規模の気候変動によって台風ゾーンが北にシフトしているためだ。猛烈な台風によって倒木が発生し、木を食べるキクイムシなど害虫の理想的な繁殖地となる。国後島ではメンデレーエフ火山などが被害を受けやすい。今後、国後島の森はどうなるのか。広葉樹が大幅に増加する可能性がある。中でもモンゴリナラやハルニレ、キハダ、ハリギリが支配的地位を占めるだろう。今から6500–5000年、南クリル諸島の平均気温は現在よりも2~3℃高かった。泥炭堆積物を分析すると、広葉樹の花粉の割合が高く、これは島の森林は広葉樹が多く、針葉樹が少なかったことを意味する。国後島で観察された針葉樹の死は長い歴史の中で、気候変動をきっかけに何度も起こった、自然力学のエピソードの1つである。

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メンデレーエフ火山の斜面

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ゴロブニン火山

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