北方領土ノート
『北方四島上陸・占領作戦には艦船18隻、9,400人のソ連兵が参加した』…②
2018年1月、北海道庁の出先機関である根室振興局北方領土対策課の調査で、1945年8月28日から9月5日にかけて行われたソ連軍による北方領土上陸・占領作戦に使用された艦船17隻のうち、10隻が「プロジェクト・フラ」でアメリカから貸与されたものだったことが判明した。
きっかけは、根室振興局が取り組んできた北方領土遺産発掘・継承事業の一環で、ソ連軍上陸関係の文書や写真を調査する中で、サハリン州郷土博物館の研究紀要第3号に、ソ連軍による千島列島上陸作戦に参加した艦船リストを記載したイーゴリ・サマリン氏の研究論文を見つけたことだった。
その後、1997年にアメリカで発行された「プロジェクト・フラ 日本との戦争における米ソの極秘協力」(リチャード・ラッセル著)の中に、「プロジェクト・フラ」によってアメリカからソ連に貸与された艦船のリストが掲載されていることが分かり、2つのリストを照合することで、艦船を特定した。
サマリン氏の調査研究では、色丹島上陸作戦の参加艦船は2隻となっているが、この作戦に参加したソ連軍将校の手記や上陸を目撃した当時の色丹村長の証言などから色丹島上陸作戦には3隻の艦船が参加していたことが確認された。
1945年8月28日から9月5日のソ連軍による北方領土上陸作戦に使用された艦船は18隻で、そのうち11隻がアメリカから貸与されたものだった。
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