❐北方四島の話題
fish.news 2020/2/13
リマレンコ知事は色丹島訪問中に、水産加工会社オストロブノイが抱える課題について要請を受けた。そのうちの1つは小クリル自然保護区内(色丹島、歯舞群島)でコンブを採取したいと考えている同社の希望と関連している。知事に同行したサハリン州水産局のイワン・ラドチェンコ局長は「保護区でのコンブ採取は禁止されているが、ロシア天然資源省からの暫定的な許可を受けてウニやナマコ漁が行われている」とはコメントした。「科学的には、コンブ資源は十分にあり、品質も高いことから、小クリル諸島でのコンブ漁を許可することを推奨している。このことから、知事はオストロブノイに対して、コンブ漁の許可について要望するよう勧めた。近い将来、ユーリ・トルトネフ副首相がサハリンを訪れ、この問題が議論される」と語った。
(関連情報) 2019年10月24日
北海道とロシア極東地域との経済協力に関する常設合同委員会第13回分野別部会
(北海道のウエブサイトより)
サハリン州が北海道に対してコンブの輸入拡大への協力を提案
〇ラドチェンコ氏(現サハリン州水産局長)
乾燥コンブの生産及び輸出に関する協力について提案したい。科学的な検証によると、サハリン州周辺に生息する海藻類は、非常に体に良い成分が含まれている。サハリン州に生息するコンブは北海道産に類似した品質である。サハリン州のコンブの資源量を考慮すると、毎年10万トン以上のコンブが採取可能。ただし、州内の市場ではコンブの需要が低いため、7,000トン以下しか採取していない。北海道では天然コンブが減少していると承知しており、このような分野での協力は日本側にとって興味深いのではないかと考える。コンブの加工場がサハリンで稼働している。そこではいくつかのコンブの商品が生産されており、刻んだ乾燥コンブ、葉状体のコンブ、コンブの粉末を製造している。サハリンから日本への高品質のコンブの安定供給に関心がある企業はたくさんある。近代的機械も使用しており、国際的品質の供給が可能である。このプロジェクトの実現には、日本側の割当の提供が必須であり、日本政府の支援が必要であることから、規制上の課題を解決するために、北海道からの支援をお願いしたい。
〇北海道総合政策部国際課
コンブ漁業は、北海道沿岸漁業者の多くが着業する重要な漁業であり、コンブの輸入量の増加は、道内のコンブ生産と競合し、コンブの価格などに影響が生じる可能性があると考えられることから、ご理解をお願いする。
(関連報道)
色丹・歯舞周辺のコンブ資源 80年代~90年代の乱獲で資源枯渇 回復に14年かかった
astv.ru 2017/11/8
ロシア天然資源省は、小クリル列島自然保護区のエリア内でコンブなど藻類の採取を許可しない方針だ。以前、サハリン州知事はロシア天然資源省のセルゲイ・ドンスコイ大臣に、嵐の後に海岸に打ち上げられるコンブの採取が出来るように保護区の規定を変更する可能性を検討するよう要請した。ロシア天然資源省の回答は「保護区の大部分は海洋哺乳類の繁殖地となっており、水鳥や渡り鳥の生息地、渡りの経由地となっていることから、保護区内のコンブの収集を許可することは出来ない」と回答していた。科学的調査資料によると、1987年から1992年までの乱獲により、小クリル諸島の沿岸の藻類資源は著しく減少した。志発島での藻類の資源量は97%、勇留島で89%、水晶島で76%、それぞれ減少した。元の状態に戻すのに14年かかった。
沿海州の投資家、小クリル諸島のコンブ資源に関心 色丹島にコンブ加工場建設構想
サハリン・インフォ2017/2/6
沿海州地方の投資家は色丹島の水産加工会社「オストロブノイ」の再建に関連して、コンブの加工場建設に関心を持っている。投資家はノルウェー製の機器を購入し、最大8万トンのコンブの加工を想定している。これはサハリンに割り当てられたコンブ漁獲可能量の50%に相当する。投資家は技術スタッフのためのホテルも建設する予定。この投資会社は国際市場で大規模な取引を行っている。市場でコンブの需要は高く、特に中国が高いという。報道によると、2016年秋、オストロブノイは環境に配慮した方法で小クリル諸島保護区でのコンブ漁を許可するよう求めた。この要望は、11月に極東科学漁業委員会のメンバーによって支持された。コンブの漁獲可能量は10万トンに達すると推定されている。オストロブノイはスキャンダルで全国に知られていた。10億ルーブルの借金で破綻寸前だった。いま、サハリン州とロスリボロビが再建を支援している。
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