❐北方四島の話題
サハリン・インフォ2020/3/5
国後島ユジノクリリスク(古釜布)在住のジャーナリスト、セルゲイ・キセリョフ氏が国後島や色丹島、歯舞群島の歴史をたどった写真集を出版し、市内の図書館で地元住民にお披露目された。キセリョフ氏は旧ソ連軍で兵役を終えた後、1974年に南クリルにやって来た。12年間を色丹島で過ごした後、1988年から国後島に住んでいる。過去45年間、彼は島で起きた多くの出来事を見つめ、島の暮らしをドキュメンタリ―に残し、写真を撮り、本を出版した。彼は地域の新聞やロシア中央のテレビ局の特派員として働き、南クリルの生活を全国に伝えてきた。地区創設70周年の年には「南クリル諸島—イャーズ&ナンバーズ」を出版し、併せてドキュメンタリー映画「そしてすべのロシアはここから始まる」を制作した。そして今年3月4日、キセリョフ氏の最新刊「南クリル諸島の真実」の出版を記念した集いが開かれた。会場となった図書館には市議会議員や行政府関係者、住民たちが集まった。著作には65の記事が含まれている。国後島、色丹島、歯舞群島の島々の歴史を記録した500枚以上の写真も収録されている。アイヌと日本人の時代、第二次大戦後のクリル諸島の開発、ソ連時代、そしてロシア時代。読者は戦争が終わり、敵だった日本人との混住を経て、社会主義下のライフスタイル、様々な伝統を持つ国籍、民族からなるソビエトの人々を知ることになる。戦争が終わった直後、ソ連住民1,800人(ロシア人、ベラルーシ人、ユダヤ人、タタール人、モルドバ人、ブリヤ―ト人を含む28の国籍)と5,000人の日本人が一緒に暮らしていた。日本という国は、多国籍ソ連の人々にとって、常に理解しがたい神秘的な存在だった。
読者はまた、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、連邦政府の指導者たちが南クリル諸島を頻繁に訪れたことを知るだろう。メドベージェフ大統領を含め、5年間で40人以上の連邦政府関係者が島を訪れた。クリル諸島社会経済発展プログラムによって、新しいアスファルト道路、住宅、その他の社会的に重要なインフラが次々と整備され、発展する島々の姿を目の当たりにするだろう。読者との対話で、キセリョフ氏は多くの質問に答えた。国後島と色丹島で起きた様々な出来事について語ったが、それは本の中には書かれていなかった。著者はこの本の続きをまた出版するつもりだ。
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