❐北方四島の話題
fishnews.ru 2020/7/6
ロシア天然資源省は今年、小クリル自然保護区(歯舞群島、色丹島)内でのウニ漁を認めないことを決定した。これに対して、漁業者は「資源データが誤って解釈されている。ウニ漁の禁止は中小企業に影響を与える」と反発している。小クリル保護区では、特別な保護体制を条件として保護区内でのウニ、ホタテの採取を許可している。ただし、採取量や方法、区域についてロシア天然資源省と合意する必要がある。これまで、同省は採取を認めてきたが2020年に状況が変化し、漁業者は漁を禁止された。この決定の背景には生物資源の状態に対する懸念があった。サフニロによると、ウニの個体数は2010年には1㎡当たり40.1個から2019年には同6.4個へ、大幅に減少した。ホタテについても2010年の1.5個から0.18個に減少。サフニロは「小クリル保護区内ではウニとホタテの資源量が大幅に減少している」とした。クリル自然保護区は海洋生物資源の量は保護区の外側に十分に存在するとしている。これに対し漁業者側は、特定の指標だけに基づいて資源量全体を判断するのは無謀であり、これによってウニ資源が減少していると結論するのは正当ではない、と主張。2019年の資源調査は産卵後の、ウニのクラスターが崩れる時期に行われたものであり、このため個体数やバイオマス指標が低い結果となったという。漁業者らの団体であるサハリン水産企業協会は連邦漁業庁に上訴し、ウニ禁漁問題を解決するために天然資源省と合同会議を開くよう提案している。
※サフニロの資源調査(資料写真 )
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