クリル諸島の海洋哺乳類を救え!! 有志がクラウドファンディング

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 様々な国の人気ブロガー、写真家、旅行家などがクリル諸島の海洋哺乳類を守ろうとクラウドファンディングで活動資金を募っている。クリル諸島で30年以上にわたり海洋哺乳類の調査研究を続けているロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所カムチャツカ支部の主任研究者ウラジミール・ブルカノフ氏の取り組みを支援するため、今年4月に8万ドルを目標に始まった。9月14日現在で1万1,500ドルが集まった。

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 資金は、調査船のメンテナンス費用に2.5万ドル、研究拠点の修理に2万ドル、海洋哺乳類の個体数調査に使用するカメラの復元に2万ドル、クリル諸島の海洋監視プログラムの作成に1.5万ドルなどに充てられる予定。

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 ブルカノフ氏によると、最近、クリル諸島のラッコが減少している。これは深刻な問題だ。ブルカノフ氏は衝撃的なデータを示した。個体数は1980年から1990年代に壊滅的に減少したが、2000年から2011年にかけてゆっくりと回復に向かっていたが、2014年に急減したことがわかった。3年間で30%も減少した。その後も毎年減少を続けている。2019年のライコケ島の火山噴火により、相当数か犠牲になった。1990年代にはクリル諸島北部(占守島など)に1万1000匹が生息していた。昨年、このエリアを調査したが、1匹も確認できなかった。今はクリル諸島北部全体で200~300匹もいればいい方だろう。

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 ブルカノフ氏によると、クリル諸島北部でのラッコの個体調査や監視は15年以上行われていない。資金がないためだ。ロシアのレッドブックに載せていることが、保護のために行われていることのすべてだ。

 また、ブルカノフ氏はプラスチック廃棄物による環境汚染の危険性を訴えている。多くの島々でプラスチックゴミの巨大な堆積があり、トロール網やロープに絡んでたくさんの鳥や動物が死んでいる。すぐに対策をとる必要があると言う。クリル諸島で急成長している観光業は、規制や管理する仕組みがなければ、問題はすぐに深刻化する可能性がある。

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 1986年にできた海洋哺乳類の保護と漁業に関する規則によれば、クリル諸島の各島の沿岸には船の立ち入り禁止、海岸での火の使用禁止、狩猟や漁業禁止のエリアが設けられていた。2020年、漁業からの圧力を受けて、これらのルールは破棄された。これでどんな船でも上陸できるようになった。これはラッコにとっては致命的だ。(astv.ru 2020/9/14)

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