パラムシル島の漁師 カムチャツカの国境警備隊がサケ漁を妨害と訴え 背景にカムチャツカとサハリンの対立

サハリン州の漁業関係者会議で、業界の代表者が近年、カムチャツカとパラムシル島海域を管轄するFSB国境管理局からサハリンやクリルの漁船が不当な圧力を受けていると訴えた。(サハリンとパラムシル島以外の海域は別のFSB組織が担当している)サハリン州水産協会のコズロフ会長は「我々の漁船(サハリンとクリル諸島)は密漁の事実がないにも関わらず、向こうのFSBから24時間体制で検査を受けている」と語った。背景には、サケ漁を巡る北クリル地域とカムチャツカ地方との長年にわたる対立がある。今年はカムチャツカ東海岸へのサケの遡上が少ないため、闘いが激化しているようだ。コズロフ会長は「国境警備隊がやって来て、我々の漁を邪魔している。漁船は1日に3回も検査を受ける。これでは漁が出来ない。パラムシル島の漁業会社グラニスのマカレンコ代表は「過去3年間で、サハリンの漁船は漁業規則違反をしていない。しかし、検査は厳しさを増している。昨年は2つの企業に対して56件の指導があったが、今年は10日間ですでに28件にのぼっている」と強調した。サハリンとカムチャツカの対立は北クリル海域のサケはどちらに権利があるかという論争に由来する。カムチャツカ側は、サハリンの漁業者はカムチャツカ半島に遡上するサケを沖合で横取りしており、漁による漁獲を減らすか完全にやめる必要があると主張する。サハリン側は自分たちのサケだと譲らない。特に、クリルの漁業者の生産量はカムチャツカの巨大企業の5%にも満たない、と訴える。主要な議題はカムチャツカ側が網を使ったサケ漁のすべてを禁止する提案をしていることだ。漁網を使ったサケ漁は極めて限定的に行われ、現在ではパラムシル島の漁師たちが行っている。サハリン州水産局のラドチェンコ局長は「これはクリルの漁師たちに対する攻撃であり、漁業から企業を締め出そうとするものだ。私は極東科学商業評議会に諮り投票で決定することを提案する」と話している。(サハリン・インフォ2020/9/11)

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