択捉島のサケ漁ルポ「船長と乗組員と、巾着の中のシロザケ」

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 ヤースヌイ水産加工場がある択捉島・内岡の岸壁。朝7時。シロザケを獲っている巻き網漁船「ドラゴン」のヴァシリー・シェフチュク船長は海に出た。クリリスキー・ルイバク社の船団を構成する船の1つだ。同社には3隻のアメリカ製巻き網漁船と23隻の小型船がある。通常の定置網漁に加えて、島で最初に巻き網漁を導入したがルイバク社だ。船長は2016年から、巻き網漁のために特別に設計されたアメリカ製の漁船で漁をしている。

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 「漁師は昔も今も変わらない。謙虚で、シンプル!! ただ、大量の漁獲を可能にする船の設備と輸送能力が変わっただけだ。まず魚の群れを見つけ、その周りを1周して巻き網を仕掛け、そして網の底を閉じて引揚げるんだ。大きな巾着みたいなものだ」と船長は言った。網の長さは420m、深さは25mある。網の引揚げにかかる時間は、漁獲量によって異なりるが、たとえば1.5トンの場合、20分かかる。1日何度も、これを繰り返す。甲板員は特にきつい重労働だ。

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 シェフチュク船長はサハリン出身である。軍隊生活の後、1988年から漁船に乗って働くようなった。彼のチームは船長以下5人で構成されている。シニアメカニックのアレクサンドル・シドルキン、彼のおかげで、すべてがうまくいく。彼のアシスタントであるイワン・ウリュピン(ノボシビルスク出身)、セルゲイ・デニセンコ、アンドレイ・ルブツォフ、そしてカンディは漁のシーズンだけやって来る。

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 島では、例年5月にカラフトマス漁が始まる。8月にそれが終わって、今度はシロサケ漁が本格化する。「私たちは素晴らしい収入を得ている。漁の期間3カ月で、建設作業員の1年分を稼ぐ。それで冬の間も生活できる。獲れば獲るほどお金が増える。すべてが公平、すべてが分かりやすい」と船長は笑った。「私はこの道に進んだことを人生で1分たりとも後悔したことはない。魚が来なくて、何も稼げないという不愉快な年があったが、今は魚がいるので生きていける。択捉島は最も魚が多い場所だ。なぜならここには孵化場があり、サケが回帰するから。私たちにとって魚は命なんだ」と続けた。

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 この日、「ドラゴン」は日暮れまでに6回、網を揚げて60トンのシロザケを漁獲した。これは上々の結果だ。「善良な人間は常に幸運なんだ」とね最後に船長は言った。(サハリン・インフォ2020/10/7)

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