サハリンを描いているアーティストのリサは生まれも育ちも択捉島だ。彼女が小さかった頃、アスファルト舗装もケーブルテレビもインターネットもない、自然がむき出しの場所だった。通りは暗く、川のほとりにはクマが潜んでいた。その後、彼女は勉強のためにサハリンに行った。最近、故郷を訪れた彼女は、観光客のあまりの多さにショックを受けた。「ハッシュタグ・イトゥルップを使用している旅行者の写真を見た。その数は全く非現実的なくらい、多かった」–。温泉は高級化して、無料になっていた。ホテルが建ち、カフェもある。「私たちの故郷はリゾートになりつつある。お金を稼ぐことができるリゾートに。たぶん、この流れを止めることは出来ないだろう。白い砂のビーチがあることを知ってる? それが残っていることがどれほどの奇跡か分かる? そんな場所にランドクルーザーで乗り付けて、インスタ写真を撮る人たちに、美しい野生の場所に対する責任を感じてほしい」と彼女は願う。(サハリン・クリル通信2020/11/23)
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