観光で国後島を訪れた人が地元の住民から、「ゴロフニンスキーの崖」を勧めれることはまずないだろう。もし、あったとしても、たぶんその人は択捉島にある「白い崖」と混同しているのではないか。国後島に住んでいる人はみんな地元の人と呼ばれるが、地理に詳しい人がそれほどいるわけではない。
「ゴロフニンスキーの崖」は国後島南部の太平洋側にある長さ約15kmの断崖だ。プザノフ岬(オリコノモイ岬)からベロゼルスカヤ川(シロマンベツ川)まで延びている。晴れた日には、プザノフ岬から垂直に切り落ちた「ゴロフニンスキーの崖」が遥か彼方まで続く絶景が望める。
このユニークな地形は過去200万年にわたるゴロブニン火山の活動と気候変動によって生まれた。クリル自然保護区の報告によると、この崖は毎年3mも海によって浸食されている。削られた堆積物は約2000年前から、海岸に沿ってベスロフスキー半島(ケラムイ崎)方向へ運ばれ、クリル諸島で最大の砂州を形成した。
巨大な砂州であるベスロフスキー半島は現在も北海道の根室市に向かって成長を続けており、自然条件がこのまま変わらなければ、いつか北海道と国後島がつながるかもしれない。(クリル自然保護区ウエブサイト及びYandex Zen Курильские острова. руより)
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