ドイツの科学者が北西太平洋の最も深い千島海溝の海底から採取した堆積物を調査した。Environmental Pollution誌に発表された論文によると、底土1kgあたり14から209のマイクロプラスチック粒子が含まれていることが分かった。プラスチック廃棄物の破片がより深い海底に沈殿することにより、海溝は人間が出す廃棄物の墓場に変わり、その結果、食物連鎖の基盤が影響を受け、将来の世代は、現在の環境汚染の結果に長期間対処を迫られると警鐘を鳴らしている。(Citysakh.ru 2021/1/9ほか)
2016年に千島海溝の深さ5143m、6065m、7138m、8255mの4カ所の海底からサンプルを採取。全部で15種類のプラスチックが見つかった。深さに応じて、底土1kgあたり14〜209個のプラスチック粒子を確認したが、ゼンケンベルク自然史博物館のセレナ・アベルは「人間は毎年4億トン以上のプラスチックを生産しており、プラスチック粒子がより深い海底に容易に到達し、蓄積されていることが分かった」と語る。すべての堆積物には、包装材料で一般的に使用されるプラスチックのポリプロピレンが含まれていた。プラスチック粒子の多くは約8分の1mm以下だった。科学者は「深海にどれだけのプラスチックが存在するかは正確にはわからないが、海溝がプラスチックの流しとして機能することを示している。深海のマイクロプラスチックは、食物連鎖の基盤に影響を与える。多くの無脊椎動物がマイクロプラスチック粒子を含む堆積物を食べているからだ。残念ながら、将来の世代は、今日の環境汚染の結果に長い間対処しなければならないだろう」と話している。
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