国後島のクリル自然保護区では1月初めから、ロシアとサハリン州のレッドブックに記載されている絶滅危惧種のシマフクロウに対する人工給餌が始まった。数年前から、生息数の維持・増加を図るため、水辺が凍結してエサが不足になる冬季間(1月~4月)に実施している。国後島には少なくとも80羽が生息し、繁殖ペアは約30組とみられている。今年のエサはアメマスやイワナが主体で、スタッフがプラスチックのバケツに入れて、給餌場に設置している。シマフクロウは孤立した生活を送っており、他の個体から2.5km以上離れて営巣する傾向がある。しかし、センサーで作動するカメラの映像を見ると、2羽~3羽が写っており、これはエサを見つけた1羽が成長したヒナを含め、家族を食事に招待しているためと考えられる。また、エサを狙ってキツネやカラス、猛禽類、クマなども訪れている。(サハリン・インフォ2021/1/26)
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