北方領土・択捉島の中心地、紗那(クリーリスク)に、格安商店「農家の生産物」がオープンした。島を管轄するクリール地区行政府が運営費を助成する「社会的な店」に認定され、食品や日用品などを安く販売し、島民から人気を集めている。(北海道新聞2021/4/24)
島の水産会社「コンチネント」が地区行政府の助成制度を利用して出店。助成金で商品の輸送費や店の電気代、暖房代などを賄う代わりに、消費者のため商品の価格を他店より格安に設定する仕組みだ。他の商店と比べ、半額近く安いものもあるという。
店頭では、コンチネントが経営する農場「灯台」のジャガイモやキャベツ、ニンジン、トマトなどの野菜を販売するほか、精肉、鮮魚などの生鮮食品、日用品を扱う。コンチネントの野菜を購入する場所はこれまで、移動販売車などに限られていただけに消費者の利便性も向上。店舗面積70平方メートルの小さな店で、コンチネントの担当者は「開店直後からすごい人気。今になって、商品を置くスペースが足りないと痛感している」と話す。
島で初めて宅配サービスを開始したのも特徴だ。紗那のほか、別飛(レイドボ)、瀬石温泉(ガリャーチエ・クリュ―チ)などに無料で配達する。瀬石温泉に住むエレーナ・ヤコブレワさんは「電話で注文して持ってきてくれるのでとても便利だ」と喜んでいる。(ガリーナ・クンチェンコ通信員、写真も)
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