国後島もカラフトマス操業禁止が提案される 2021年漁期

 ロシア科学研究機関は、今年2021年漁期、一部条件付がある、北海道に隣接するサハリン南部沿岸ばかりでなく、国後島沿岸でのカラフトマス操業を禁止することを提案した。今漁期、北海道に隣接するサハリン州の太平洋サケマス操業は、過去、類を見ない規模の制限に直面する可能性がある。同州沿岸へのカラフトマスの漁獲予想は、極端な低位ながら9,700トン余りに設定されている。また、人工孵化放流事業を基礎とするシロザケは3倍以上の3万3,300トンと見込まれている。このほか、ベニザケ1,430トン、ギンザケ450トン等となっている。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2021/5/7)

 一方、科学研究機関は、カラフトマスの極端に低位な資源状況、来遊予想等から、大胆な規制、管理措置を、当該操業意思決定機関である遡河性魚種生産管理委員会に提案した。これは、今漁期、カラフトマスの商業漁業について、アニワ湾、テルペニア湾ばかりでなく、サハリン島南西部沿岸全体(クリリオン岬からポギビ岬まで)、さらには国後島まで禁漁措置をとるものとなっている。さらに、操業期間についても、例年、商業漁業は夏の初めにサハリンの南東部沿岸で開始されたが、当該漁業区は禁漁が提案されているため、6月15日からの北クリール列島沿岸が振り出しとなる。サハリン北西部沿岸は7月1日、択捉島沿岸は7月11日から開始となる。また、北東部沿岸と南東部沿岸は、産卵場が再生産計画を満たした場合のみ、8月1日に開始されることになる。

 来遊が極端に弱く、さらに、密漁を完全に防ぎきれないという現実を考慮した時、これらの沿岸ではカラフトマスを漁業者が合法的に完全な形で漁獲できる可能性はほど遠い。これらの規制措置導入の最終決定は遡河性魚種生産管理委員会によって行われることになる。なお、同委員会は、漁業当局、漁業者、科学研究機関、そして治安機関の代表者らで構成されている。

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