国後島でサクラ満開 クリル自然保護区チシマザクラプロジェクト開始 温室で苗を育て市街地に植樹へ

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 毎年5月末になると、南クリル諸島(北方四島)ではサクラが満開となる。国後島の住民は、春の最高の装いであるサクラを鑑賞している。南クリル諸島では3種類のサクラが自生している。クリル種(チシマザクラ)、サハリン種(オオヤマザクラ)、マキシモビッチ種(ミヤマザクラ)。(サハリン・インフォ2021/ 5 / 28)

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 国後島では5月になると、クリル種とサハリン種が開花する。どちらの種も国後島択捉島に自生し、クリル種はウルップ島(得撫島)でも咲く。花は濃いピンクから白雪のような様々な色合いを持ち、見分けがつきにくい。ただし、この2種は別の植物で、クリル種は高さ2~3mの低木で、サハリン種は高さ20mにもなる。マキシモビッチ種は最近、植物学者から「バード・チェリー」と呼ばれている。花は白く、高さ10mほど。他のサクラより遅く6月前半に花を咲かす。

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 サハリン種はサハリン州レッドブックに掲載されている。開花期間は短く7~10日ほどしかない。国後島では今年、5月8日にオホーツク海側のレシスティ岬付近の海岸丘陵に多数の花が咲き始めた。5月10日にはゴリャ―チ―・プリャジ(瀬石)近くのストルボフスカヤ・トレイルでも開花した。ゴロブニン火山(泊山)のカルデラでは5月15日~25日までたくさんの開花が見られた。国後島のサクラはほとんどが単独か小さなグループで自生している。ユジノクリリスク(古釜布)—ゴロブニノ(泊)道路を南に向かって(泊方向へ)走ると道路の両側にサクラを見ることができる。オホーツク海側のストルブチャティ岬(材木岩)—グルーグルイ岬(ブニ岬)—トレチャコボ(秩苅別)の自然保護区内ではピンクのサクラが海岸丘陵を彩る。また、5月のゴロブニン火山カルデラでは、新緑の中に繊細なピンクのサクラがアクセントをつけている。チャチャ火山(爺爺岳)の斜面では6月~7月上旬まで見ることができる。

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 クリル種(チシマザクラ)はクリル諸島南部の気候に適応した美しい低木のサクラで、開花時期はサハリン種と類似している。その植樹は国後島の集落の美化に役立つ可能性がある。クリル自然保護区では、温室でクリル種を栽培するプロジェクトを開始する。今年はスタッフが自然の保護区の外で種子を採取し、温室に植える。3~5年後に、成長した木を露地に移植する予定だ。このための温室整備を支援してくれるスポンサーが必要だ。サクラは生まれたばかりの生命のはかなさを示す象徴であり、サクラの花は古来から人々に特別な感情を与えて来た。多くの国で春のサクラを愛でることが伝統になっている。

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