国の文化審議会は16日、建造物の登録有形文化財として、35都道府県の220件を登録するよう萩生田光一文部科学相に答申した。道内からは根室市の「根室国後間海底電信線陸揚(りくあげ)施設(陸揚庫)」が選ばれた。秋ごろにも答申通り告示され、道内152件、全国では1万3286件となる。(北海道新聞2021/7/16)
陸揚庫は終戦まで根室と北方領土の国後島を結んでいた通信用海底ケーブルを、陸上の電信線につなぐ中継施設。日本人が北方領土に住んでいたことを示す歴史遺産として、根室市が所有、保存している。完成時期は不明で、明治時代の建造物である可能性も指摘されていたが、文化庁は鉄筋コンクリート造りであることや、昭和初期の資料に記されていることから、1935年(昭和10年)ごろの建設と判断した。
道外では「大阪府庁舎本館」(大阪市)、「道徳公園クジラ池噴水」(名古屋市)などが選ばれた。(大能伸悟)
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