ロシア科学アカデミー極東支部の火山地震研究所(IVS、ペトロパブロフスク・カムチャツキー)の熱水研究に取り組む科学者たちが7月13日から27日まで、国後島南部のクリル自然保護区にあるゴリャチェエ湖(一菱内湖)とキピャシチェエ湖(ポントウ湖)で調査を実施した。国後島入りしたのはエカテリーナ・ヴォロシーナ博士ら3人。カルデラ湖の深度や水のサンプルを採取して温度、酸性度(ph)、透明度などを測定した。ゴリャチェエ湖の最大深度はこれまで62mとされてきたが、今回の調査で約70mあることが分かった。キピャシチェエ湖は以前は16mだったが、25mと確認された。ゴリャチェエ湖の水温調査では、湖表面(水面から15㎝-20㎝)で22度から24度で、平均酸性度はph=2.7だった。また、キピャシチェエ湖の平均水温は36度だったが、湖の西部では50度に達する場所もあった。熱水が噴出する「悪魔のフライパン」と呼ばれるエリアでは90度から96度、平均ph=2.1–2.2だった。逆に、カルダーニー・コードン近くの小川は塩分がほとんど含まれない蒸留水に近く、ゴロブニン火山カルデラで唯一水を飲むことが出来る川だ。(サハリン・メディア2021/8/3)
ポントウ湖
一菱内湖
ゴロブニン火山カルデラの展望台から。右がポントウ湖、左が一菱内湖
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