標津で保護 ロシア人男性 国後島ドゥボボエ在住の38歳

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 北方領土から来たというロシア人男性が根室管内標津町で見つかった問題で、国後島などを事実上管轄するロシア・サハリン州南クリール地区行政府は21日、男性が3年前から国後島南部に在住していると明らかにした。インタファクス通信が報じた。日本政府関係者によると、男性は38歳で、ロシアの自動車運転免許証を所持しているという。(北海道新聞2021/8/22)

 男性は19日夕に標津町内にいるところを町民が発見し、道警に保護された。男性は「国後島から泳いできた」と話しており、札幌出入国在留管理局が詳しい事情を聴いている。

 地元メディアなどによると、男性はロシア中部ウドムルト共和国イジェフスク出身。希望者に極東地域の土地1ヘクタールを無償提供する制度で、国後島南部の泊(ゴロブニノ)の土地を貸与され、近くのドゥボボエ村に移住した。港湾労働やトラクター運転の仕事もしていたという。

 インタファクス通信によると、地区行政府関係者は「17日に行方不明になり、自宅を調べたところ、日本のポスターなどが発見された。彼は日本の文化を愛していた」と話した。地元メディアは男性がウエットスーツを着て、泊から標津まで約24キロを泳いで渡った可能性があると報じたが、事実関係は不明だ。

 在日ロシア大使館は21日、フェイスブックで「状況を明確にするために、日本の当局と緊密に連絡を取っている」とコメントを出した。

 日本政府関係者によると、男性は日本に亡命を求める考えを示しているが、理由などが二転三転しているという。詳しい経緯などを慎重に調べた上で処遇を判断する方針だ。(ユジノサハリンスク 仁科裕章、東京報道 文基祐)

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