北方四島の洋上慰霊、道も見送り コロナ感染高止まりで

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90歳を超えている元島民が、墓地を目指して飛ぶように駆けだした(2019.6,24 国後島・植内墓地で)

 道は8日の道議会特別委員会で、北方四島のビザなし渡航が2年連続で中止されたことを受け、9月下旬~10月上旬ごろに検討していた船上での「洋上慰霊」の実施について、断念すると報告した。新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ判断した。元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟、札幌)も連盟主催の洋上慰霊の実施を見送っており、本年度の同事業は全て中止となった。(北海道新聞2021/9/8)

 道は千島連盟の要請を受け、元島民が北方四島に上陸せずに船上で慰霊する日帰りでの洋上慰霊を検討。日ロ中間ラインを越えない形を想定し、根室港発着の2ルートを計画していた。道内外でコロナの感染者数が高止まりしていることを受け見送りを決めた。

 道の篠原信之・北方領土対策局長は「元島民には大変申し訳ない」と話し、今後は本年度中の航空機による「空路墓参」の実施を国に求めていく。空路墓参は2019年度まで3年間、年1回ずつ行われており、昨年度はコロナの影響で実施されなかった。本年度についてはまだ決まっていないという。(小宮実秋)

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サハリン・インフォ(2019/6/24)の記事より 

 48人の日本人高齢者(※正確には元島民ら団員38名、同行者11名)が2日間国後島で過ごした。3人は94歳(※正確には最高齢94歳が1人、93歳が1人)、10人が80代、残りは65歳から80歳(※正確には元島民関係者の最年少は33歳)。彼らは日本の6県からビザなし渡航の枠組みの1つである自由訪問でやって来た。1人は体調不良のため、国後島に上陸することが出来なかった。彼らは居住地跡や先祖が埋葬された墓地を訪ね、お参りした。銃を持ったロシア人ハンターが同行した。今、国後島にはクマが頻繁に出没するからだ。最終日の夜、夕食交流会で高齢者の1人は受け入れをした行政府や国境警備隊に感謝の気持ちを表した。その高齢者にとっては最後のお墓参りになるのではないだろうか。6月24日、訪問団は根室に戻った。

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