ロシア漁業庁は、ロシア極東排他的経済水域(EEZ)における太平洋サケマス沖獲り向け漁獲割当オークションを、今年11月と12月、2クールに分けて開催すると先に発表、上場は、6海域5魚種、計103ロットで全体のTAC設定の約5割、落札による漁獲割当配分の権利は2033年(2022年から12年間)までとされている。
ロシアでは、2016年以降、太平洋サケマス漁獲を目的とするEEZ、領海、内水面での流し網の使用は禁止されており、この効率的代替漁具・漁法問題は未解決となっている。この情報に接し、徹底的に流し網反対のキャンペーンを行ってきたカムチャツカ地方は、流し網(沖獲り)の復活を危惧し、オークション開催に懸念を表明した。
先に行われたロシア上院の農業・食料政策と環境に関する委員会において、カムチャツカ地方選出上院議員、定置網漁業者で、流し網禁止キャンペーンの急先鋒だったボリス・ネフゾロフら同地方代表者が開催の中止を求めた。ネフゾロフは、当該漁獲割当配分が流し網漁業復活の基礎になる可能性があると語り、オークションで上場ロットが落札された時、国家はそれを認めることを余儀なくされると加えた。
これに対し、委員会に出席したロシア漁業庁副長官ワシリー・ソコロフは、流し網の使用禁止は法律で規定さており、立法機関がこれを見逃す可能性は極めて低いと語り、一方で、評価のある資源の漁獲割当を配分しない場合、会計監査当局の追及を受けることになると言及、オークションの応札者の全ては、法的禁止を認識していると想定され、これを無視して流し網を使用、復活を求めることは、考えにくい旨を加えた。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2021/10/20)
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