ロシア天然資源省は、クリル諸島南部(北方四島周辺)で漁が禁じられているコンブについて規制を緩和する方向で準備している。この海域は、クリル自然保護区(国後島)と小クリル保護区(色丹島、歯舞群島)にあるため、ロシア企業はコンブを含む多くの水生生物資源を漁獲できない一方、日本側の漁業者は何十年にもわたってコンブを漁獲しているという、逆説的な状況が生じている。色丹島のオストロブノイ水産加工場などクリルの企業は原料不足に頭を痛めており、コンブなど追加の漁獲が認められれば、新たな雇用を生み、生産ラインを稼働することができる。サハリン地域の水産協会のマキシム・コズロフ会長は昨年、検事総長と会談した際、この問題を提起した。「現在、我々は保護区の規制の最終的な修正に取り組んでる」と語った。ロシア天然資源省は色丹島と歯舞群島からなる小クリル保護区の規制に関する改正案を作成した。変更は年内に承認され、実施され見通し。データによると、年間約8万トンのコンブの収穫が見込まれているが、明確な産業の見通しがないため、資源量を詳細に調査した人はいない。一説には環境に害を与えることなく約50万トンの採取が可能とする予測もあるほどだ。南クリルでは、戦後の一時期、いくつかのロシア企業がコンブ採取と加工を行い、製品はソ連全土に供給されていた。(サハリン・インフォ2021/11/25)
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