択捉島のオホーツク海側のピオネル川に新しいサケマス孵化場が開設された。択捉島の水産会社コンチネント社の4番目の孵化場となる。建設費は8,200万ルーブルで、今年はカラフトマスの卵500万粒、シロサケ1,000万粒を生産した。同社の養殖部門の責任者であるアレクサンドル・ピズハコフ副社長は「わが社が活動を開始した1999年、クイブイシェフカ川(留別川)の自然産卵場所は10~15%だった。その後、貯水池を保護し、最初の孵化場クイブイシェフスキーを建設した。最初の放流で回帰したサケの漁獲量は数倍に増加した。自然のサケの個体数は養殖群によって支えられるべきだと考えている」と述べた。別の実例でいうとサラトフカ川(内保川)には、サラトフスキー孵化場が出来るまでは自然のサケは存在しなかったが、2018年には1,800トンの漁獲量を記録した。同社では、サケを密漁から守るためドローンと暗視装置で監視している。サハリン州水産局のラドチェンコ局長は「新しい孵化場のオープンにより、サケの回帰が増大する」と語る。コンチネント社は、極東で最初に湖での幼魚の給餌方法をテストした。稚魚の餌付けは自然の貯水池で行われる。沿岸における過度のストレスを回避しながら自然に近い環境で幼魚の成長を促すもので、稚魚は湖からの微生物と、飼料ケージの餌を食べる。稚魚の発育指標の分析では優れた結果を残した。将来的に、このエリアを開発して稚魚を増やす予定。現在、クイビシェフ湾(留別湾)への稚魚の放流は9,000万匹だが、2025年までに2億匹に増やす予定だ。コンチネント社はさらに5番目となる孵化場の整備に向けて書類を準備している。(サハリン・インフォ2021/12/17)
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