羅臼漁協所属の漁船が北方領土・国後島周辺海域で行った安全操業のホッケ刺し網漁の漁獲高はスケソウダラやマダラなどの混獲枠を含め、前年比61.2%減の7276万円だった。同漁協によると、日ロ中間ライン手前の漁獲が好調だったため、序盤1カ月で操業を切り上げる船もあり減少した。(北海道新聞釧路根室版2021/12/28)
10月1日から最終日の12月25日までの操業期間に出漁したのは前年を3隻下回る13隻。今年は中間ライン手前の羅臼海域でホッケが好漁だったため、4隻が国後島周辺海域での操業を1カ月で切り上げ、羅臼海域での漁に切り替えた。
安全操業全体の漁獲枠(1060トン)に対する漁獲量の割合(消化率)は44.6%の472トンで、前年の消化率63%を大きく下回った。魚種別の漁獲量はホッケ386トン(消化率50.2%)、スケソウダラ40トン(同38.4%)、マダラ25トン(同36%)など。安全操業と前浜を合わせた27日時点のホッケ漁獲量は、前年比3.1倍の4708トンと豊漁で、漁獲高は4億9848万円だった。
一方、ロシア国境警備局が船に乗り込み、操業日誌の点検などを行う「臨検」を受けたのは、過去最多の延べ100隻に上った。昨年は臨検の影響で羅臼漁港での競りに遅れる船が相次いだが、今年は競りに間に合わなかったのは10月2日の7隻のみだった。(田中華蓮)
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