ロシア農業省は昨年2021年10月19日付No.711で、今年2022年の極東地方沿岸のバフンウニのTACを承認しており、ほぼ前年同の約8,000トンの設定となった。主漁場となる南クリール沿岸(※国後島、色丹島、歯舞群島)についても前年同の約6,060トンとなっている。昨年2021年9月から広がった赤潮の影響で北海道道東沿岸のバフンウニ漁業は鈍化、品薄から当該製品の日本国内市場価格は同年末に向け、前年同期の約2倍にまで高騰した経緯にある。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2022/1/24)
ウニ卸値、2倍に高騰 身が小さく赤潮被害も
(日経2021/12/21)
ウニの取引価格が高騰している。豊洲市場(東京・江東)で今の時期主力のロシア産バフンウニの卸値は安値でも1枚(250グラム)8千円前後と前年同期の2倍の水準。高い物では2万円前後となっている。殻の中の身が小さく、歩留まりが悪い。国産は主力の北海道産が赤潮の影響で1枚3万円超と前年の2倍の水準で最高値となった。競り場では品薄感が強い。
冬の味覚として珍重されるバフンウニは濃厚な味わいが特徴。秋から翌年の初夏までの間、市場に出回るウニの主体は北方四島周辺などでロシア船がとったロシア産だ。
10月1日の漁解禁から水揚げ数量自体は平年並みで、「枠である年間6000トン分は取り切りそう」(北海道の市場関係者)。ただ、殻の中の身が小さい。平年なら10%前後の歩留まりが今年は5%前後。1枚をつくるのに2倍以上の個数が必要だ。「身が溶けたり潰れたりしないよう手作業でしか加工できず、加工会社の手間がかさんでいる」(水産卸)
国産も状況は厳しい。例年11月以降は、北海道根室市など道東のバフンウニの流通が増えて「価格が比較的落ち着き、需要期の年末にかけて高くなる」(水産卸)時期だ。だが今年は9月から道東沖に広がった赤潮の影響でウニが姿を消した。厚岸漁業協同組合(厚岸町)などでは11月以降の漁を中断しており、北海道産の不足感が強い。
中国の旺盛な需要も国産価格を押し上げる。中国でウニは贈答品や嗜好品として人気があり、日本のウニの評価は高い。水産卸は「日本では割に合わなくても中国など海外に出せば売れる。セリでは輸出に向く高品質品の引きが強く、全体の相場がつり上げられている」と話す。供給の不安定さから「焦って買い付ける事業者も出てきている」(水産仲卸)。
国産バフンウニの卸値は現在1枚3万円前後と平年の2倍。東京都中央卸売市場の月報でみると、10月のバフンウニ以外も含む全ての国産ウニの平均卸値は1キロ3万4688円と同63.4%高く「月平均としては過去最高値」(水産卸)という。輸入物も同2万6734円と同50%高い。
生ウニの高騰の影響は、すし店にも及びつつある。東京の大手すし店は「人気商材なので販売価格は何とか据え置いているが、厳しい。高値が続くなら値上げを考えるしかない」(担当者)と危機感をあらわにする
(カネタ竹内水産HPより)
コメント