国後島のクリル自然保護区のスタッフは北海道からタンチョウが戻る日を注意深く観察している。ロシア連邦のレッドデータブックに記載されているタンチョウは、冬を北海道で過ごし、春になると国後島の営巣地に戻るが、今冬は1組のつがいが国後島で冬を越した。このつがいは昨年8月にヒナと一緒にいるところが確認されている。2021年、国後島では5組のつがいが記録され、そのうちの2組は営巣している。しかし、繁殖の成功率が非常に低いことから分かるように、国後島でヒナを育てることは簡単ではない。その理由として、野生動物(キツネ、猛禽類、カラス)と犬が放置されていること、人為的要因が考えられる。4月から6月までの繁殖期間は非常に重要であり、このとき、安全な環境が保たれないと、彼らは営巣地を捨てる。営巣地がある南部のベスロフスキー半島(ケラムイ崎)では、毎年春に「静かな体制」が確保され、違反者には行政責任が課せられる。(行政犯罪法第8.39条)。保護区の研究者は日本の鳥類学者と協力して科学的協力を行い、データを交換している。(サハリン・インフォ2022/3/5)
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