サハリンに出先機関を構える稚内市をはじめ、道内の自治体や企業はロシアのウクライナ侵攻を巡る金融制裁の動向を注視している。出先機関の運営とともに、道内各地の地域経済にさまざまな深刻な影響が出ることが予想され、現地関係者は制裁の長期化への懸念を募らせている。(北海道新聞留萌宗谷版2022/3/9)
市が2002年、道内の市町村で初めて州都ユジノサハリンスクに開設したサハリン事務所の主な業務は、現地と稚内の経済や人的交流の推進、稚内港の利用促進に向けた現地企業へのPRなどだ。
米国や欧州、日本の経済制裁により、ロシアの一部銀行は国際的な決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除されることが決まった。SWIFTは世界の金融取引の「社会インフラ」として不可欠の存在とされるが、市が口座を開設している銀行は現時点ではSWIFTの排除対象外。
金融制裁長期化の可能性や、その影響などは見通せない状況。サハリンに事業所や事務所を構える日本の企業などは「SWIFTの排除対象外の金融機関ルートで、何とか日本国内から送金を受けられる手だてを懸命に探っている状態」(現地関係者)という。
市サハリン課は「市内の経済に影響が懸念される。当面は動向を見守りたい」と話している。
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