ウクライナの状況にかかる制裁措置に関連し、中国はロシア産水産物輸入・加工・再輸出のスキームにおいて重大な決断に迫られつつあると言える。西側諸国のWTO最恵国待遇停止は、世界の水産物貿易に大きな影響を与える可能性がある。
世界最大の漁業となるロシアのスケトウダラ操業は、中国へ一次加工製品(H&G:ドレス)を輸出し、中国が二次加工(フィレ)に製品化してヨーロッパ諸国の食品業者へ再輸出、更に、ヨーロッパ諸国の食品業者が量目ごとに裁断しパン粉付け加工を行い冷凍食品(フライ製品)にして小売、外食市場に供給することで成立してきた。
今後、ヨーロッパ諸国が、原材料の原産国がロシアと分かるこのスケトウダラ製品にどのような対応をとるかによって、中国は重大な決断を下さなくてはならなくなる。
昨年2021年、ロシアはスケトウダラH&Gを54万トン生産、韓国経由を含め38万トンを中国へ輸出し、このほぼ全量を原料として中国は再加工を行いフィレ製品としてヨーロッパ市場へ供給したと見られている。(ロシア漁業ニュースヘッドライン2022/3/18)
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