北方四島周辺でウニ大量死? 国後島の自然保護区などが調査へ

ロシアの大衆紙「MK(モスコフスキーコムソモール)サハリン」や「サハリン・クリル通信」など複数のメディアが地元住民の話として、北方四島周辺海域でウニの大量死が発生していると伝えている。情報の出どころはSNSのテレグラム・チャンネル「AmurMash」への投稿だ。

「何千ものウニが死んでいる」

(テレグラムチャンネルAmur Mash 2022/4/12)

「南クリル地区(国後島色丹島歯舞群島)の海岸でウニの大量死が起きており、住民は調査を求めている。昨年8月、ダイバーや活動家は、藻類や貝類が死んだことに気づいた。今、それはウニに広がっている。地元住民によると、何千ものウニが海底で死んでいるのが発見されている。人々は、日本の福島の原子力発電所からの排水が原因であると考えているが、ロシア科学アカデミー極東支部や当局は住民の声に応えていない」

「南クリル地区当局がウニの大量死についてコメントした」

(MK-サハリン2022/4/12)

南クリル地区行政府は、SNSのテレグラムチャンネル「Amur Mash」に掲載されたウニの大量死に関する情報についてコメントした。近く、ワーキンググループが海岸の調査を行う。サハリン州政府の環境当局は「国後島と小クリル列島(色丹島歯舞群島)の水生生物資源の死に関する情報を確認し、クリル自然保護区に連絡した。科学者は何が起こったのか調査する」と述べた。南クリル地区行政府も「この件に関連して、ワーキンググループを組織し、数日中に海岸で調査を行う」と語った。一方で、南クリル地区市長室は、昨年から今年に入って、海洋生物の死に関する報告を受けていないと語った。一部の地域住民は、この件に関連して放射線状況について心配しているが、4月12日現在、24.3マイクロシーベルトで、許容値の60マイクロシーベルトを下回っている。行政府は「2020年6月以来、放射線に異常な数値は記録されていない」という。

「福島のせい」:クリル諸島でウニが大量死

(サハリンクリル通信2022/4/12)

南クリル地区の住民は、日本の福島の原子力発電所からの放水が国後島色丹島の近くの海洋動物に致命的な影響を与えることを確信している。ここ数ヶ月、海岸では何千もの死んだウニなどが見つかっている。情報ポータルの「Amur Mash」は、南クリル地区の住民からの情報に基づき、テレグラムチャネルで環境災害について書いている。海洋生物の異常に高い死亡率は、2021年の夏にダイバーと地元の活動家によって記録された。最初は貝と藻だったが、今ではウニに変わった。「ほら、これはゼリョーヌイ島(志発島)のエリアです。特徴的な傷、禿げたような斑点も。針ないもの、壊れたもの。ウニは上と下の両方から影響を受けている」とビデオの作者は話した。人々は、日本の福島の原子力発電所で起こったことが原因と見なすことができると信じている。

道東の赤潮再発の恐れ ロシア由来とDNA一致

厳寒期に適応、生き残り増殖も 道総研など発表

(北海道新聞2022/4/1)

 道東の太平洋沿岸で昨秋発生した赤潮の原因プランクトン「カレニア・セリフォルミス」のDNAが、2020年秋にロシア極東カムチャツカ半島南部で発生した赤潮のセリフォルミスと一致したことが分かった。道東赤潮のセリフォルミスがロシア由来で、厳冬期でも生き残ることがほぼ確実となり、今後再び発生する恐れが強まっている。

 一般的な赤潮プランクトンは低温下で死滅するため、セリフォルミスが北海道の冬を越せるかどうかが焦点の一つだった。

 東大大学院と道立総合研究機構などの研究チームが米国の専門誌「Harmful Algae」(電子版)で発表した。チームは昨年9、10月に釧路、十勝両管内4カ所の海水を分析。セリフォルミスの個体群を識別するDNAがカムチャツカ赤潮と一致することを確認した。

 この結果、道東赤潮は20年9、10月にカムチャツカで赤潮を発生させたセリフォルミスが寒流に乗って道東にたどりつき、増殖した可能性が高くなった。道などのモニタリング調査では今年1月11日以降検出されていないが、わずかに生き残った個体が水温上昇などで再増殖する恐れがある。

 分析ではカレニア・ミキモトイ、タカヤマ属など計7種類のプランクトンが見つかり、セリフォルミスは体長が平均39・4マイクロメートルと、海外の報告より2倍近く大きいことも分かった。研究チームの岩滝光儀・東大院准教授は「道東のセリフォルミスは葉緑体の数もかなり多いなど(既存の報告と異なる)特徴がある」と指摘している。(堀田昭一)

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テレグラム・チャンネル「Amur Mash」

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