ロシアの対ドイツ戦勝記念日の9日、サハリン州が事実上管轄する北方領土や州都ユジノサハリンスクでも、軍事パレードや戦没者の遺影を掲げた「不滅の連隊」の行進が行われ、州政府関係者が住民にウクライナ侵攻の正当性などを呼び掛けた。(北海道新聞2022/5/9)
国後、色丹両島などを管轄する南クリール地区のゴミレフスキー地区長は通信アプリ「テレグラム」で、国後島の古釜布(ユジノクリーリスク)での記念式典に2千人以上が参加し、兵士がパレードしたと報告。家族連れら約500人が戦死した親族の写真を手に行進し、退役軍人のヒョードル・タロエフさん(90)は「若者に愛国心を持たせ、ファシズムを繰り返してはならない」と訴えた。
択捉島を管轄するクリール地区行政府によると、紗那(クリーリスク)には数百人が集まり、兵士が行進。ロコトフ地区長は式典で「第2次大戦中の先人のようにロシア軍兵士は世界の平和を守っている」と語り、プーチン政権の「特別軍事作戦」を支持した。
通信社サハリン・インフォによると、ユジノサハリンスクのパレードでは、択捉島に配備している地対艦ミサイル「バスチオン」が初参加し、不滅の連隊には1万人以上が参列。リマレンコ州知事は式典で「一刻も早い勝利を信じ、兵士の帰国を心待ちにしている」と述べた。(山野辺享)
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