日本200カイリ水域内のサケ・マス流し網漁の初水揚げから13日で1週間となる。漁は本格化し、これまでに市内では延べ14隻の小型船(14トン未満)が計約35トンのトキシラズ(回遊中のシロザケ)などを水揚げした。魚体は小さめだが、全体の量が少なく、浜値はほぼ昨年並み。12日も市内の鮮魚店には初物を買い求める人の姿が見られた。(北海道新聞釧路根室版2022/5/13)
6日の初水揚げは1隻のみだったが、その後は市内で連日3隻以上の水揚げが続く。10日には今季最多の7隻がトキシラズやカラフトマスなど計6・7トンを水揚げした。
今年の出漁は、日ロ関係が悪化する中、漁業交渉が難航し、例年より3週間余り遅れた。操業する隻数も全道で昨年より12隻少ない19隻。こうした中、歯舞市場でのトキシラズの1キロあたりの高値は4千円台と前年同期並みで推移する。
市内の小売店関係者は「4月の漁期を逃し、例年に比べて大幅に量が少ない。道東沿岸の定置網漁でもトキシラズはあまり取れていない。魚体は小さいが、価格は昨年同期並みに落ち着いている」という。
市内の鮮魚店「魚信」では12日、トキシラズが主に1匹3千~4千円台で店頭に並んだ。1匹購入した別海町の50代男性は「春の風物詩で毎年の楽しみ」と声を弾ませた。
同店の浅野昌英社長は「トキシラズは6月中旬までが旬なので、これからの漁にさらに期待したい」と話した。(川口大地)
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