国後島・瀬石に打ち上げられたマッコウクジラ 推定80歳 死因は老衰か クリル自然保護区の研究者らが調査

クリル自然保護区とモスクワ国立大学の研究者が、国後島のゴリャチー岬(瀬石の近く)の海岸に打ち上げられたマッコウクジラの遺体を詳しく調査し、研究のためサンプルを採取した。死骸は体長17mのオスのマッコウクジラで、大きさや摩耗した歯から判断して、80歳以上の高齢で、死因は老衰によるものとみられる。研究者たちは詳細な測定を行い、歯や皮膚のサンプルを採取。マッコウクジラの下顎には、中央でわずかに湾曲した円錐形の歯が少なくとも20対あるが、このマッコウクジラは高齢のために歯がすり減り、円錐形が失われていた。国後島に打ち上げられたマッコウクジラは過去5年間で、5頭目。すべて太平洋側で記録されている。昨年8月21日にも、今回と同じゴリャチ―岬で発見されている。マッコウクジラハクジラの仲間では最大で、1000m以上の深さまで潜水する。オスは18〜21m、メスは11〜13mまで成長し、4 ~16km/ hの速度で移動する。今回の調査に参加したフレンズ・オブ・ザ・オーシャン海洋動物救援グループ(ユジノサハリンスク)のボランティアであるタチアナ・プリドロズナヤさんは「誰もが海洋動物の研究と支援に貢献できるように、クジラの動向をチェックするモバイルアプリケーションを開発している」と述べた。このアプリケーションを使用すると、海洋哺乳類の目撃情報や死んだ動物の場所、人為的汚染のある地域を地図上にマークすることができる。収集されたデータは学術目的、海洋哺乳類への支援、および汚染の影響の防止に役立つという。過去のある場所で、海洋動物の死骸が定期的に記録された場合、同じ場所で再発する可能性が高くなるという。(サハリン・インフォ2022/6/24)

マッコウクジラの下顎のすり減った歯。推定80歳以上とみられる

死骸を測定する研究者たち

2021年8月21日に瀬石の海岸で発見されたマッコウクジラの死骸

国後島太平洋側のセルノボッカ川(東沸川)の河口近くで潮を吹くマッコウクジラ(2018年11月)

Сотрудники заповедника «Курильский» совместно с Питером ван дер Вольфом исследовали погибших китов – Автор статьи: Ирина Неведомская

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