極東・北極圏開発公社によると、TOR特区(優先的社会経済発展区域)の参加企業オネコタン群島会社が北クリルの島々に9億ルーブルを投資して「観光クラスター」を造成する。プロジェクトは2024年からパラムシル島(幌筵島)、オネコタン島(温禰古丹島)、シュムシュ島(占守島)、シアシュコタン島(捨子古丹島)、アトラソフ島(阿頼度島)、ラスシュア島(羅処和島)、ウシシル島(宇志知島)の7島にホテルやレクリエーション施設を整備する。すでに設計と測量に着手しており、手始めにパラムシル島のシエレホフ湾にツーリスト・ビレッジを建設する。オネコタン群島会社によると、観光客向けの宿泊施設やカフェテリア、ハイキングコース、展望台、観光農園、養魚場などを整備するほか、マウンテンバイクやスノーモビル、カヤックなどのエクストリーム・スポーツも楽しめる施設を用意するという。オネコタン島の観光インフラ整備では、船舶の係留施設の建設から始まり、最大30kmのハイキングコースとエコロジー・トレイルを敷設する。観光客は世界で最も美しいといわれる二重火山クレニツィン火山(黒石山)の中にある湖を訪れることができる。第二次大戦で使用された戦車などが残るシュムシュ島には、戦争遺産を生かした野外博物館を整備する。電力は風力や太陽光発電施設で賄う予定。年間4万人の入込を見込んでいる。色丹島と北クリルの島々からなるTOR「クリル諸島」には、現在8企業が登録されている。すべてのプロジェクトの民間投資額は51億ルーブルを超えた。(サハリン・メディア2022/7/15)
エコロジー・トレイルの整備が予定されているオネコタン島のクレニツィン火山(黒石山)と湖
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