ウルップ島沖の太平洋で新種発見 ウミウシの仲間

ロシアの科学者たちがクリル諸島(千島列島)のウルップ島(得撫島)近海で新種の軟体動物を発見した。カナダの動物学ジャーナルの最新号に記事が掲載された。2021年にロシア地理学会と国防省が実施した「東の要塞–クリル諸島」で発見したもので、モスクワ国立大学動物学博物館とロシア科学アカデミー生物学研究所が新種と確認し、Cuthonella rgoと命名された。新種はウミウシの一種。調査の責任者である同大学動物学博物館のアレクサンドル・マルティノフ主任研究者は「海洋無脊椎動物の最も驚くべきグループの1つ。進化の過程で殻を失い、色と形はこの変化の結果だ」という。生息地はウルップ島北西の太平洋沖合で、深さ15m~20mの岩が多い浅瀬。体長は15mm~20mmと小さい。すべてのウミウシと同様に雌雄同体。30年以上にわたり軟体動物の生物多様性と進化を研究してきたマルティノフ主任研究者らは「研究者にとってクリル諸島は特に興味深い場所。アクセスが困難なため、動植物は並外れた多様性を保っている。同じ理由で、この地域の動植物はほとんど研究されておらず、慎重な扱いが必要だ」と話している。新種が世界的に認められるまでのプロセスは、複雑で時間がかかる。(astv.ru 2022/8/2)

 

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