クリル自然保護区は18日、色丹島でも最も人気がある観光地ベジミャナヤ湾(太平洋側のトイロ付近)へ通じる道路について車両の通行を禁止した。観光客を案内するガイドらが自動車やサンドバギーなどに乗って訪れることから、レッドデータブックに掲載された植物などが破壊されているためという。違反した時の罰金は7,000ルーブル。色丹島ではサンドバギーが島の自然を破壊しているとして、3年前からデリフィン湾(ノトロとポンデバリに挟まれた湾)など景勝地に通じる道を通行止めにするよう、住民が求めてきたが、自然保護区は静観してきた経過がある。同保護区のキスレイコ所長は「この決定は小クリル自然保護区のセルゲイ・カルベンコ国家検査官から口頭で地元住民に発表された。決定は保護区の権限にのっとったもので、これにより公道から観光地につながる道路への車両の進入が禁止された」という。同所長によると、保護区の管理者は保護区内の交通を完全に停止する権限を持っているという。しかし、色丹島で正式な公道と言えばマロクリリスコエ(斜古丹)とクラボザボツコエ(穴澗)道路しかなく、他のすべての道路は「歴史的にできた便宜的な道」に過ぎない。この道を観光客が利用し、環境破壊を引き起こしているわけだが、では何故ほかの観光地につながる道路は閉鎖されないのか。同所長は「封鎖してほしいという訴えがないことが第一。第二に国として土地を収用せず保護区を設置したため、土地の利用者はアクセスする権利を持っている」と説明する。カルベンコ検査官は電話取材に対して「私は何も禁止していない。現時点では、住民と口頭で話しただけ」とコメントした。そのうえで「保護区の規則では保護区内を通過する旅行は禁止されている。しかし、観光ガイドは旧軍用道を利用し、道を切り開き、車が通れるように木を伐採している。彼らは森に車を走らせ、すべてを踏みつけ始めている」と付け加えた。(サハリン・インフォ2022/8/22)
ベジミャナヤ湾(太平洋側のトイロ付近
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