根室海保の巡視船「さろま」引退 出動32年 知床・観光船事故など活躍

 根室海保の巡視船さろま(180トン)が26日、32年余りの任務を終え引退し、根室港で解役式が開かれた。根室海峡の日ロ中間ライン近くの哨戒や、知床半島沖の小型観光船沈没事故などさまざまな場面で活躍した。同海保の小窪貴輝部長は「根室の海を見守り、活躍してくれた」とねぎらった。(北海道新聞根室版2022/9/27)

 さろまは全長43メートル、最大速力は35ノット以上。1989年11月の配属から一貫して同海保で活動した初の巡視船で、地球17周分にあたる68万6千キロを航行、船17隻、81人を救助した。

 さろまは、北海道南西沖地震災害派遣や、ロシア国境警備隊によるカニかご漁船「第31吉進丸」の銃撃、拿捕(だほ)事件で死亡した乗組員の遺体引き取り業務も担った。4月の知床の小型船沈没事故では行方不明者を捜索。小窪部長は「北方領土を抱える海域で黙々と活躍してくれた」と話す。

 解役式には職員ら23人が参加。海上保安庁の旗を降ろした。田村尚樹船長(42)は「後継船に代わっても、根室海峡の安全を守るためまい進する」と語った。

 さろまは同海保の巡視船5隻のうち最も古い。10月19日には、船舶火災に対処する遠隔放水銃や、夜も不明捜索ができる遠隔監視採証装置などを装備する同名の新造船「さろま」(195トン)が配備される。(川口大地)

 

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