北方領土の歯舞群島の一部、貝殻島周辺の海域で毎年北海道の漁船が行っているコンブ漁で、ロシアの国境警備局による船の検査、いわゆる「臨検」がことしは去年の4倍以上に増えたことが分かりました。北海道水産会は「近年、ロシアの国境警備局がチェックを強化している」と分析しています。北方領土の歯舞群島の一部、貝殻島周辺の海域はロシアが実効支配しているため、昭和38年以降、ほぼ毎年、日ロの民間交渉で操業条件を決めたうえで、北海道の漁船がコンブ漁を行っています。ことしはロシアによるウクライナ侵攻の影響で交渉妥結が遅れましたが、コンブ漁は6月22日から9月28日まで行われ、地元の漁協ではウクライナ情勢をめぐる日ロ関係の悪化を踏まえて、安全に操業できるよう監視する船を増やして臨みました。北海道水産会などによりますと、その期間中、ロシアの国境警備局による検査、いわゆる「臨検」を受けた漁船は延べ366隻で過去最多となり、去年の87隻の4倍以上に増えたということです。検査は1回当たり長いもので10分から15分で、船を訪れて操業に必要な「指示書」があるかや、コンブ以外にとったものがないかなどを確認されたということです。一方、拿捕(だほ)はありませんでした。北海道水産会は「近年、ロシアの国境警備局がチェックを強化している。来年もコンブ漁が継続できればいい」と話しています。(NHK北海道NEWS WEB 2022/10/6)
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