10月14日は自然保護区で働く人々を祝福する日–。国後島のクリル自然保護はウエブサイトで1人の職員にスポットを当てた記事を掲載した。セルゲイ・ステファノフは2021年5月から保護区で働いているが、短期間で重要な研究を行い、新しい科学的データを取得し、同僚から尊敬されている。セルゲイはサンクトペテルブルク国立大学で生物学と土壌科学を学び、クリル自然保護区では鳥類学に専念している。セルゲイには素晴らしい夢がある。近い将来、「バードウォッチャーのためのクナシリ図鑑」を書くこと。それが実現することを願っている。(クリル自然保護区ウエブサイト2022/10/12)
オホーツク海沿岸で鳥類モニタリングを実施。撮影マリア・ナウモワ
セルゲイは国後島が好きだ。「南クリル諸島(北方四島)は、研究者にとって未知の領域。ここでは多くの興味深いものを発見し続けることができる」という。彼の最近の重要な発見の 1 つは、今年7月にミサゴの巣をペスチノエ湖(東沸湖)エリアで確認したことだ。これにより、ロシア連邦とサハリン州のレッドブックに掲載されている本種の国後島における営巣の事実が確認された。鳥類学者は以前、ミサゴが島に巣を作っていると考えていたが、実際に巣を見つけることは出来なかった。そして、今年初めてトウヒの上の巣が確認された。
優先課題の中で、セルゲイは、南クリル諸島における鳥の「滞在」の明確化を挙げている。どの種が営巣しているか、どの種が渡り鳥で、どの種が放浪しているか (単一の「ランダムな」会合)。今年の秋、伝統的な餌場であるベスロフスキー半島(ケラムイ崎)で、渡り鳥の監視が始まった。鳥類学者によると、昨年のデータとの本格的な比較分析のために、モニタリングは特定の地域で、同じ方法で、毎年同じ時期に実施する必要がある。
ベスロフスキー半島(で水鳥と近水鳥の渡り鳥のモニタリングを実施。撮影:アナスタシア・ツィンコワ
また、ステファノフは連邦政府の研究プログラムの枠組みの中で、希少種シマフクロウ の国後島における営巣のモニタリング調査に大きな関心を寄せている。この鳥は絶滅危惧種であり、人工の巣をかけて営巣するペアとヒナを毎年記録するなど、保護区のスタッフはあらゆる努力を傾けている。
研究担当副所長のエレナ・リニクと。撮影:マリア・ナウモワ
セルゲイは昨年 8 月と 9 月に、負傷してやせ衰えたオジロワシを保護した。オジロワシはロシア連邦のレッドブックに記載されている希少種。翼に傷を負った鳥は、自分で食べることができなかった。保護区の特別な囲いに入れられ、注射器で栄養を与えられ、傷は癒された。セルゲイはリハビリ中ずっと、世話をした。9月になると、回復したオジロワシは自力で囲いを離れた。ステファノフは「野生に戻り生き残ることができる、きっとすべてがうまくいく」と話した。
負傷したオジロワシの頭の傷を縫う。撮影:イリーナ・ベスパロワ
弱っていた鳥に注射器で餌をやる。撮影: エレナ・リニック
私の仕事が大好き!撮影: アナスタシア・ツィンコワ
傷を負ったオジロワシの翼を治療する。撮影: エレナ・リニック
負傷したオジロワシの回復状況をチェック。撮影: エレナ・リニック
回復したオジロワシ。囲いの中で餌をやる
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