根室市は11月26日、国の登録有形文化財「根室国後間海底電信線陸揚施設」(通称・陸揚庫)=市西浜町=と、同様の施設を有する道内外の4市町とオンライン会議を行う。初めての試みで、放置状態にある施設や保存、活用の事例など、それぞれの事情を参考に今後の保存、活用に生かしていきたい考えだ。(釧路新聞2022/10/26)
オンライン会議は「にっぽん『四極』陸揚庫会議@根室」と題し、中国・上海やロシア・ウラジオストクと繋がっていた長崎県長崎市の「国際海底電線小ヶ倉陸揚庫」(復元)、台湾とを結んだ沖縄県石垣市の「海底電線陸揚室跡」、双方で繋がっていた宗谷管内利尻富士町の「石崎海底電信線陸揚庫」と稚内市の「オネトマナイ海底電線陸揚室」。それぞれが海底ケーブルの中継施設として戦前に建設されている。
根室市の陸揚庫は設置が1900年(明治33)、現在のコンクリート製の施設は35年(昭和10)ごろの建物とされているが、詳しいことは分かっていない。
会議は根室市と4市町の学芸員らがオンラインで設置の経緯や歴史的意義、現状報告を行う。市は「陸揚庫の存在や役割、歴史的意義などについて知ってもらう契機にしたい」と期待を寄せている。
陸揚庫会議(※学芸員らによる報告)は午後1時30分から、第2部は根室の「陸揚庫の保存と活用を考える分科会」メンバーらを交えてシンポジウムを行う。会場は道立北方四島交流センター・ニホロ(市内穂香)。一般参加も可能だがコロナ対策のため定員は50人。また会議の様子は後日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。問い合わせは市北方領土対策課へ。
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