科学者や軍関係者が国後島、択捉島、ウルップ島、チルポイ島を調査「東の要塞–クリル諸島」遠征で

ロシアの地理学会と国防省が2019年から実施している調査探検プロジェクト「東の要塞・クリル諸島(千島列島)」の一環として、今年は8月から9月にかけてクリル諸島国後島択捉島、ウルップ島(得撫島)、チルポイ島(知理保似島)の4つの島で総合的な調査が行われた。この遠征には科学者、軍関係者ら75人が参加、3グループに分かれて考古学、植物、土壌、戦争遺構などの様々な分野で調査に当たった。チルポイ島では、第二次大戦中に墜落した旧日本軍の戦闘機を調査。パイロットの痕跡は見つからなかったが、戦闘機に関する新たなデータが収集された。国後島ではクリル自然保護区内のゴロブニン火山のカルデラにあるキピャシチェ湖(ポントウ湖)とゴリャチエ湖(一菱内湖)から水のサンプルを採取し、島の植物・土壌マップを制作するほか,水中の生物調査も実施した。択捉島では、地質学者が複合的な火山で地殻変動の調査を行い、古い地震の痕跡を特定した。ウルップ島とチリポイ島では、鳥類学者が動物相構成を明らかにし、昆虫学者は何千もの標本を収集した。動物学者はラッコやアザラシなどレッドデータブックに記載されている哺乳類の生息数を評価した。プロジェクトは2025年まで続き、クリル諸島の景観変化のダイナミクス、希少な動植物個体群の現状解明、先住民族の文化やロシアによる島嶼開発の歴史を明らかにする。ロシア軍東部軍管区は、軍事技術の歴史と要塞遺構の調査が目的だと報告している。(サハリン・インフォ2022/10/27)

 

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