正教を守り国を乱す敵を退けたロシア叙事詩《ブィリーナ》の英雄イリヤ・ムーロメツが今も択捉島に生きていることは、誰もが知っている。人を寄せ付けない択捉島最北の滝(ラッキベツの滝=落差140m)に、その名前が付けられたのは1946年。極東最大の滝を「発見」した科学探険隊のメンバーは、あまりに勇壮な姿を、無敵の力を体現したロシアの伝説の英雄と重ね合わせた。そして科学者たちは興味深い現象を目にした。滝は太平洋の深海に住むコクジラも引き寄せる。体にこびりついた甲殻類を退治するためだ。滝が海へ落ちる地点にある真水が、クジラの皮膚をきれいにする。滝は国宝と見なされ、法律で保護されている。しかし、クリルの奇跡を保護するために物理的な対策を講じる必要などない。母なる自然、厳しい環境が宝物を侵入者から守っている。滝は最もアクセスしにくい場所にあり、陸路で行けるのはプロの登山者だけだ。どうしても見たいという観光客のために、多くの旅行会社が水上ツアーやヘリコプターツアーを企画している。(citysakh.ru/2022/11/9)
以下の写真は2018年8月の自由訪問で団員が「えとぴりか」船上から撮影したものです。
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