国後島の家ネコの遺伝子は北海道ではなく、極東に近い 1994年の津波が影響

国後島の家ネコの遺伝子は日本よりもロシア極東の家ネコに近い–ロシア科学アカデミー極東支部陸上生物相生物多様性連邦研究センターの研究者が科学雑誌「Vavilov Journal of Genetics and Breedingへの手紙」に論文を発表した。科学者らは国後島ユジノクリリスク(古釜布)で飼われているネコ146匹とサハリン本島ホルムスク(旧真岡)の家ネコ111匹の遺伝子プロファイルを調査し、北海道やロシア極東の家ネコのデータと比較した。国後島の家ネコの65.2%は尻尾が短いクリル諸島原産のクリリアンボブテイルだった。調査の結果、国後島のネコは日本のネコよりもロシア極東沿岸のネコに近いことが分かった。その要因として①「相対的な隔離」②二重の起源(かつてユジノクリリスクには日本の街があり第二次大戦を経て国後島ソ連編入された後、集中的な開発が行われた)③ボトルネック効果(1994年の大地震で島を襲った壊滅的な津波でネコの数が激減したこと)を挙げている。科学者は、生物集団の個体数が何らかの要因で激減することで特定の遺伝子が広まるボトルネック効果と、隔離された個体群が新しくつくられる時に、新個体群の個体数が少ない場合、元になった個体群とは異なる遺伝子頻度の個体群ができる創始者効果の現れ結論した。(sakh.online 2022/11/15)

 

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