終戦直後まで根室と北方領土の国後島を結んだ通信用海底ケーブルの中継施設「陸揚(りくあげ)庫」について、市は26日、同様の施設が残る道内外の4市町と結んだオンラインシンポジウム「にっぽん『四極』陸揚庫会議@根室」を市内で開く。各地の学芸員らが歴史的意義や利活用について議論する。(北海道新聞根室版2022/11/23)
シンポジウムには根室市をはじめ、稚内市、宗谷管内利尻富士町、長崎市、沖縄県石垣市の学芸員や担当職員が参加する。陸揚庫はそれぞれ、稚内と利尻島、長崎市とロシア極東ウラジオストクや中国・上海、石垣市と台湾を結ぶ海底線の中継施設として建設された。
長崎市の施設は復元されたものが、石垣市では現物が県の指定史跡となり、観光や歴史教育に用いられている。一方、稚内市と利尻富士町の施設は調査が始まったばかり。根室の陸揚庫は昨年国の登録有形文化財になり、市は保存方法を決めるために調査を進めている状態。海底線の敷設目的や施設の建築年代も各地によって異なるという。市北方領土対策部は「各地の施設の違いを知り、陸揚庫に関心を持つきっかけになれば」と話す。
会場は道立北方四島交流センターで、参加無料。定員約50人で、事前の申し込みが必要。問い合わせは市北方領土対策部、電話0153・23・6111へ。(武藤里美)
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