「北方領土返還要求中央アピール行動」が行われた1日、根室管内の首長らが岸田文雄首相と官邸で面会し、北方領土をめぐる交渉や元島民らの北方領土墓参の早期再開を求めた。面会冒頭のやりとりと事後取材の詳報は次の通り。(北海道新聞根室版2022/12/3)
■首相要請冒頭
石垣雅敏・根室市長 ロシアのウクライナ侵攻に伴い平和条約交渉が中断され、ビザなし交流なども停止になるなど、日ロ関係は大変厳しい状態だ。事態の長期化の中で北方領土問題が置き去りにされることを懸念する。北方領土問題の解決に向けた平和条約締結交渉の早期再開や北方領土墓参の早期再開は待ったなしだ。高齢化著しい元島民の心情に寄り添った取り組み、苦悩する隣接地域振興対策の推進をお願いする。
岸田首相 官邸までお越しいただき、敬意を表する。日ロ関係は大変難しいが、領土問題を解決して平和条約を締結する方針は全く変わらない。先行きを見通すのは大変な状況だからこそ国民の理解と後押しが大切。四島交流事業は日ロ関係の中で最優先事項の一つ。1日も早い再開に向け取り組まなくてはならない。岡田直樹北方担当相とともに努力したい。
■面会後の取材に
石垣市長 岸田首相は元島民の高齢化も知っておられる。北方領土墓参も含めた交流再開について、しっかり対応したいという話をいただいた。地域を元気づける言葉だ。隣接地域として、日ロ関係の心をつなぐことも返還運動の一つ。役割をしっかりと果たしたい。墓参は元島民が今一番望んでいる。しっかり対応していただける感触を得た。(面会不可能な状況から可能になり)最終的には首相と会うことができ、安堵(あんど)した。
鈴木宗男参院議員 岸田首相は領土問題の重要性、高齢化した元島民の状況も知っておられる。人道的な配慮をしなければならないという思いは伝わった。(面会不可能な状況から可能になったことについて)毎年恒例で会っている。どこかで5分、10分取ってほしいと伝え、良い反応をしてくれた。
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