北方領土海域安全操業 タコ漁スタート 例年より3週間遅れ 

日ロ合意に基づく北方領土周辺海域での安全操業のひとつ、タコ空(から)釣り縄漁が9日早朝、根室市内の3漁港を拠点に始まった。例年は正月需要に対応するため11月中旬に出漁するが、今季はしけなどで3週間ほど遅れた。漁期は来年1月末までだが、年明け以降については日ロ協議が進んでおらず、懸念を残す中での出漁となった。(北海道新聞電子版2022/12/9)

 根室・落石漁港では午前5時40分ごろに4隻が出港し、根室市内からは計7隻が漁に出た。落石漁港から出港した船の乗組員は「やっと始められ、ほっとした。遅れを少しでも挽回できる漁にしたい」と話した。初水揚げは今月下旬になる見込み。

 今季のタコ空釣り縄漁は、予定通り10月16日に解禁。波の穏やかな日を待ち、当初は例年通り11月中旬の出漁を予定したが、出漁直前にしけやロシアのトロール船操業があり、漁具損傷を避けるため出漁を見送っていた。

 来年1月分は安全操業に関する新たな日ロ合意が必要だが、日ロ間の協議は見通せておらず、漁は年内に終わる可能性もある。根室の船主は「正月需要に間に合ってよかったが、1月分が不透明なだけに年内にできるだけ多く水揚げしたい」と話した。(川口大地)

 

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