国後島・一菱内湖が赤く濁る 甲殻類の一種と判明

今年夏、国後島のクリル自然保護区の研究者がゴロブニン火山のカルデラを調査中、ゴリャチェエ湖(一菱内湖)の湖岸が赤く染まっているのに気付いた。サンプルを採取して顕微鏡で調べたところ、ある種の甲殻類が確認されたことから、モスクワのロシア科学アカデミー・セヴェルツォフ生態学進化研究所にサンプルを送り調査を依頼した。同研究所の生物科学の専門家で癌学者でもあるエレナ・チェルプルド博士によると、ユーラシア西部と北部に広く分布するディアサイクロプスに属する甲殻類に近い種であることが分かった。「この種は沼地や富栄養化した貯水池で見られ、比較的寒さを好む。卵は20℃を超えると発育を停止することが知られている。ゴリャチェエ湖は夏には温度が上がり、この種は生存できなくなる」と保護区は話す。科学者たちは、高い確率で、国後島と日本の両方に同じ種が生息していることを示唆した。チェルプルド博士は「あくまで仮設だが、ゴリャチェエ湖でこの甲殻類が大量に発生したのは、甲殻類が以前住んでいた地下水がそこに放出されたことに関連している可能性が最も高い」と説明した。ゴリャチェエ湖で確認された甲殻類が新種であるかどうかの判断は難しい。詳細な形態学的分析と分子遺伝学的調査が必要だが、専門家は「この神秘的な甲殻類に関する新しいデータを楽しみにしている」と付け加えた。ゴリャチェエ湖は平均ph=2.7と酸性度が高く、生物が生息することは難しく、ミジンコと糸状藻類の2種が確認されているだけだ。(クリル自然保護区ウエブサイト2022/12/12)

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赤い濁りは、たくさんの小さな甲殻類と判明した

顕微鏡で見たオスのディアサイクロプス

これらの甲殻類が何を食べているかは不明だ。植物プランクトン、イソフゾリアなどである可能性がある

 

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