ロシア農業大臣パトルシェフは、同国下院で、フィッシュミールの国内生産量について、2027年までに22万トン上積みが期待されるとの見込みを明らかにし、これを完了した時、水産飼料の輸入代替への貢献度を大幅に向上させることが出来ると述べた。
ロシア漁業は、今年2022年1月-10月、別図のとおり前年同期を16%上回る13万5,400トンのフィッシュミールを生産している。
漁業生産量において日本の400万トンに対し、ロシアは500万トンで近年リードしているものの、フィッシュミールの生産量は日本(20万トン弱)より大幅に遅れ、これは、設備投資が求められる残滓利用が進んでいないロシアの状況を表すものとなってきた。
しかし、資源に対する漁業製品歩留まりの向上、出現した極東海域のイワシ資源の利用、残滓の不法投棄問題の解決等を目的に、中国の水産養殖向け飼料市場ほか、世界的に需要が高まっている当該製品の生産を拡大しており、2018年に初めて10万トンを突破、以後、右肩上がりで成長し、昨年2021年には14万3,400トンに達した。
パトルシェフは、ロシアの養殖漁業の発展について説明し、今年2022年の生産量が前年比1万3,500トン増の37万トンと予測されると語り、8年間で2倍に成長している点を指摘、このセグメントへの水産飼料の需要について言及した。
また、来年2023年1月1日から、フィッシュミール工場建設と近代化のために新しいタイプの補助金を準備していると述べ、2027年までに9施設の工場建設が予定されていると言及、生産能力を22万トン増加させ、水産飼料の輸入代替への貢献度を大幅に向上させることが期待されると加えた。
2022年に稼働した国後島・古釜布のフィッシュミール工場。魚油・魚粉など8,000トン以上を生産する。魚粉はペットや養魚用の飼料として使用される。
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